ゲームブログのスクショ画像は著作権侵害?「大体その通りです」

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Youtube をはじめとする動画配信サイトで話題となった、ゲームの著作権問題。

動画削除やチャンネル停止など、対応を迫られる事例が多発している今日この頃。

 

ゲームブログにおいては、今のところ耳にすることはありませんが・・・

メーカーの著作物たるゲームを扱っている以上、決して他人事ではありません。

 

本記事では、スクリーンショット画像の取扱いについて解説。

 

・ 著作権上ではどう捉えられているのか?

・ ゲームブログに掲載するのはOKなのか?

 

具体的にご説明いたします。

興味を持たれた方、ぜひご覧くださいませ。



結論 ブログへのスクショ掲載は原則アウト

百聞は一見に如かず

 

この言葉通り、スクリーンショットはゲームの内容を伝える最も効果的な方法。

UIの説明・基本システム解説など、スクショを使うことで説得力が生まれます。

 

しかし、実は原則ダメ。著作権法で定められています。

 

① スクリーンショットの撮影

② ブログへの掲載

 

上記について「法律上どのように扱われるか?」

この点を確認してみましょう

① スクリーンショットの撮影

著作権法において、ゲームは映画の著作物に当たります。

 

(映画の著作物)

この法律にいう「映画の著作物」には、映画の効果に類似する視覚的又は視聴覚的効果を生じさせる方法で表現され、かつ、物に固定されている著作物を含むものとする。

著作権法 第2条第3項 

 

「スクリーンショット撮影」という行為。

言い換えると「ゲームの一部をコピーする」ということです。

 

これは著作物の複製に当たります。

 

(複製)

複製 印刷、写真、複写、録音、録画その他の方法により有形的に再製することをいい、次に掲げるものについては、それぞれ次に掲げる行為を含むものとする。

同法 第2条第15項 

 

それではゲームのスクリーンショットは、誰でも撮影していいのでしょうか?

実は、そんなことはありません。

 

これをやっていいのは著作者のみ。

つまり、開発元や販売元のメーカーだけが許されている行為なのです。

 

(複製権)

著作者は、その著作物を複製する権利を専有する。

同法 第21条

 

ここまで見ると、スクショは撮影することすらダメということに。

 

は?スクショ撮るだけで著作権侵害なの?

 

ご安心を。複製権には例外があります。

それは私的使用を目的とした場合。

 

(私的使用のための複製)

著作権の目的となつている著作物(以下この款において単に「著作物」という。)は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とするときは、次に掲げる場合を除き、その使用する者が複製することができる。

同法 第30条第1項

 

個人で使用する分にはOK。

そのため保存用や確認用など、自分で使うためのスクショであれば問題なく撮影可能です。

② ブログへのスクショ掲載

著作権法上認められているのは、あくまで「個人で使用する」場合。

 

「ブログにスクリーンショットを掲載する」

この行為は公衆送信権に含まれる送信可能化にあたります。

 

これまた、著作者である開発元や販売元のメーカーだけが所有する権利なのです。

 

(公衆送信権等)

著作者は、その著作物について、公衆送信(自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化を含む。)を行う権利を専有する。

同法 第23条 

 

ブログへの掲載はもちろんダメ。

それどころか、TwitterをはじめとするSNSへの投稿もダメ。

これが、ここまでの内容です。

 

それなら、ブログどころかYoutubeも全部ダメじゃん。

 

その通り。

しかし、さらにもう1つの例外が。

 

それが著作物であるゲームの利用を許可されている場合。

 

(著作物の利用の許諾)

著作権者は、他人に対し、その著作物の利用を許諾することができる。

2 前項の許諾を得た者は、その許諾に係る利用方法及び条件の範囲内において、その許諾に係る著作物を利用することができる。

同法 第63条

 

無許諾配信・無断転載が本格的に問題視され始めた現在。

各メーカーではネット上の取り扱いについて、「ガイドライン」などを設けている場合があります。

 

「ブログ掲載してもOK」

このように記載されていれば、大丈夫。

著作物の許諾にあたり、自由にスクショを掲載可能です。

 

ところが、現実はそう甘くありません。

ガイドライン上でブログでの利用を認めているのは、非常に稀なケース。

 

ブログへの掲載には触れられていない、あるいは禁止されている場合がほとんどです。

スクショ画像に対するメーカーの対応

ここで例として、国内大手ゲームメーカーの対応をご紹介。

 

① ソニー・インタラクティブエンタテインメント

② 任天堂

③ CAPCOM(カプコン)

④ Cygames(サイゲームス)

 

上記4社のガイドライン、声明について解説いたします。

 

① ソニー・インタラクティブエンタテインメント

 

著作権について

PS4ゲーム全体の取り扱いについて記載されています。

本文において注目するのは、以下の部分。

 

2. ゲーム動画のアップロードについて

SIEゲームの動画、画像を、PlayStation®4のシェア機能(※)のように、ゲームが対応している機能を使い、対応しているオンラインサービス、ウェブサイト等へアップロートすることを許諾致します。

引用元:株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント 著作権について

 

シェア機能において、スクショ画像のアップロード先として指定できるのはTwitterやFacebookといったSNSのみ。

外部メディアに保存することで、ブログへの画像投稿も可能になりますが・・・

 

この場合に認められているのは、私的使用のみ。

ブログへの画像投稿は許可されていません。

 

下記リンクのように、公式サイトの問い合わせにおいても明言されています。

PS4 に保存したスクリーンショットやビデオクリップを外部メディアに書き出せますか?書き出したコンテンツを Web にアップロードできますか? 

 

② 任天堂

 

ネットワークサービスにおける 任天堂の著作物の利用に関するガイドライン

要約すると、以下の通り。

 

・個人かつ非営利ならばOK

・ただし特定の収益化システム(YouTubeパートナープログラムなど)を利用する場合、収益を得てもOK

・団体の場合でも、個別契約を交わすことで許可する

 

本ガイドラインは、Youtubeやニコニコ動画、SNSなどへの投稿について定めたもの。

ブログでの取り扱いを明記するものではありません。

 

しかし対象サイトへの対応から、ある程度の推測が可能。

 

「個人かつ非営利ならばOK」

「収益化する場合、特定の収益化システムを利用する」

この2点に注目しましょう。

 

・ 個人かつ非営利ならばOK

収益が発生しない個人ブログ。

つまり「広告を一切掲載しないゲームブログ」であれば、問題ありません。

 

そんなブログあるの?だって稼ぎたいじゃん。

 

実際のところ、ほとんど存在しないでしょう。

 

通常のブログでは「Googleアドセンス」「アフィリエイト」といった広告を掲載。

そこから収入を得る、営利ブログです。

 

そのため大半のゲームブログは、この条件に該当しません。

 

・ただし特定の収益化システム(YouTubeパートナープログラムなど)を利用する場合、収益を得てもOK

前文で少し触れたように、ブログで利用する収益化システムは「Googleアドセンス」など。

本ガイドライン上には記載されておらず、許可されていません。

 

上記の2点から、「任天堂が著作権者であるゲームのスクショは、ブログに掲載してはダメ」。

このように捉えることができます。

 

③ CAPCOM(カプコン)

 

著作物に関するQ&A

大まかな内容は以下の通り。

 

・カプコンのゲームは、特定の場合を除き掲載・配信してはダメ

・ゲームソフトやゲーム機本体の機能を使用して、撮影・アップロードしたものはOK

 

ここで注目するのは「ゲームソフトやゲーム機本体の機能」という記述。

この条件を満たせば、ゲームブログへのスクショ掲載は問題ないようですが・・・

 

具体的には、何のことを指してるの?

 

PS4の「シェア機能」やSteamの「ブロードキャスト」などを指します。

表現は異なりますが、先ほどお話したソニーの声明と意味は同じでしょう。

 

Steamに関しても、以下のように注意書きされています。

 

(※2)PCゲームの場合、PC本体は「ゲーム機本体」には含まれません。

ただし、Steamゲームの場合、Steamクライアントの機能の範囲で可能な放送はこれに該当します。

引用元:株式会社カプコン 著作物に関するQ&A

 

「放送」と限定した上で、記載されていますね。

 

つまりブログへのスクショ画像投稿は、「PS4 ゲームだろうが Steam ゲームだろうがダメ」。

このような意味として捉えることができます。

 

④ Cygames(サイゲームス)

 

言わずと知れたスマホゲームの大手メーカー。

TCG(トレーディングカードゲーム)の「Shadowverse」に関して、ガイドラインが定められています。

デジタルコンテンツの投稿に関するガイドライン

 

スクショ画像を含むデジタルコンテンツの利用について、「営利目的であっても許可」する。

そんな珍しいケースです。

 

そこで、「Shadowverse」運営事務局では、ユーザーの皆様に、より一層、攻略等に関する議論を活発に行っていただきたい、また、高い知識と技量を持った方に、その知力を他のユーザーの皆様に共有をしていただきたいと考え、2019年10月1日より、「Shadowverse」に関する収益を目的としたデジタルコンテンツの投稿について、以下のプラットフォームでの投稿に限り、著作権侵害を主張せず、またShadowverse利用規約違反としないことといたしました。

・「note」(note株式会社運営)

引用元:株式会社Cygames デジタルコンテンツの投稿に関するガイドライン

 

ただしその条件として指定されているのが、「note」の利用。

 

noteではテキストはもちろん、画像や動画を投稿可能。

「WEBサイト上に個人ブログを開設する」

イメージとしては、このような感じですね。

 

逆に言えば、「自身で運営するゲームブログへの投稿は認めない」ということを示しています。

例外的に掲載可能な場合

ここまで「スクショ画像の掲載」に対する法律的見解、および国内メーカーの対応についてお話してきました。

 

・ スクリーンショット撮影は著作物の複製にあたる

・ 基本的にゲームブログへの掲載は認められていない

 

まとめると、このような内容となっております。

 

え、そんじゃあダメじゃん・・・

 

ご安心を。希望はまだあります。

ガイドラインなどで「定められていない」あるいは「禁止」されていても、スクショ画像を掲載できる。

ここでご紹介するのは、そんな手段です。

 

 

① 引用を使う

② メーカーに問い合わせる

 

上記2通りの方法について、これよりご説明いたします。

 

① 引用を使う

 

著作権法で定められている「引用」。

これを使えば、ゲームブログへの掲載が可能となります。

 

(引用)
 
  公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。
 
2 国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が一般に周知させることを目的として作成し、その著作の名義の下に公表する広報資料、調査統計資料、報告書その他これらに類する著作物は、説明の材料として新聞紙、雑誌その他の刊行物に転載することができる。ただし、これを禁止する旨の表示がある場合は、この限りでない。
同法 第23条

 

実は各メーカー・タイトルのガイドラインにおいても、引用について触れていることが多々あります。

それが「法令上の範囲内での利用を認める」という表記。

 

具体的には「引用ならばOK」という意味に捉えることが可能。

 

だったら、最初から引用を使えばよかったんじゃないの?

 

ところがそう甘くはないのが現実。

引用と認められるには、下記要件を満たす必要があります。

 

・ 引用部分が公表された著作物であること

・ 引用部分と自己の著作物の区分が明瞭であること

・ 自己の著作物が「主」であり、引用部分が「従」であること

・ 「引用の目的上正当な範囲内」であること

・ 出所を明示すること

・ 改変など、引用部分の著作者人格権を侵害しないこと

 

なんでもかんでも引用にできるわけではない。

そういうことですね。

 

ゲームブログにスクショ画像を引用する上で、特に重要なのが下記の2項目。

 

・ 自己の著作物が「主」であり、引用部分が「従」であること

・ 改変など、引用部分の著作者人格権を侵害しないこと

 

これらについて、詳しくご説明いたします。

 

・ 自己の著作物が「主」であり、引用部分が「従」であること

「自己の著作物」とは、ブログ上の自分の記事。

「引用部分」は、スクショ画像を指します。

 

執筆した文章などがメイン。

それを補う目的で、スクショ画像を利用する。

こういった場合であれば、引用と認められます。

 

例としては、下記のような攻略記事。

 

 

このエリアに出現する敵は、硬くて凶暴なゾンビばかり。

しかし他の敵同様、スニーク状態からの攻撃は非常に有効です。

 

スクショ画像

 

十分に近づいたら「F」キーを押しましょう。「左Ctrl」でしゃがみに切替え、敵背面から接近。

ザックリいきましょう。

 

文章で敵に対する対応や、操作方法を説明。

その状態を視覚化する意味で、スクショ画像を用いています。

こういった構成であれば、「主」「従」の要件を満たすことになるでしょう。

 

続きまして、ダメな場合の例。

こちらもゲームの攻略記事において、ありそうな場面です。

 

 

下記画像をご覧下さい。

 

スクショ画像

 

これは出血状態。

HPが継続的に減少し続けます。

「包帯」を使用することで、治療が可能。

 

先ほどとの違いが。おわかりいただけますでしょうか?

 

この場合、スクショ画像がメインコンテンツ。

前後の文章は、あくまで「画像の意味・内容」を説明するものでしかありません。

 

そのため引用部分が「主」、自己の著作物が「従」という状況に。

これでは引用の要件を満たさず、複製とみなされます。

 

・ 改変など、引用部分の著作者人格権を侵害しないこと

改変とは、ここでは「スクショ画像の加工・編集」を意味します。

 

画像編集ソフトを利用し、文字や矢印などを追加するのはもちろんのこと。

トリミングや拡大・縮小、明るさ調整などもすべて改変に該当。

 

撮影したそのままの状態で、ブログに掲載しなければなりません。

 

加えて「ゲームをいったん録画して、使えそうな場面をスクショ撮影する」という行為もダメ。

これはゲームの引用部分にあたる録画映像を、複製していることになります。

 

「引用部分の著作者人格権を侵害している」

こういうことになり、引用としては認められません。

 

無理じゃない?引用って・・・

 

現実的に、相当難しいと思います。

映像が動き続けるゲームの中で、撮影に用いるのはスクリーンショットのみ。

しかも一切の加工・編集を許されていないわけですから・・・

 

こんな理由から、当ブログにおいては引用をほぼ使っておりません。

主に利用しているのは、最終手段とも言える「問い合わせ」です。

 

② メーカーに問い合わせる

 

スクショ画像についてのガイドラインが定められていない。

あるいは、そもそもガイドラインが存在しない。

海外製の Steam ゲームにおいて、特に有効な方法です。

 

Steam のゲームは、個人や少数で作成しているケースが多々あります。

中には、開発元の公式サイトすら存在しない場合も・・・

そこまで手が回らないのが実情でしょう。

 

「あなた方の作ったゲーム、めっちゃ面白いよ!」

「ぜひうちのブログに掲載したいんだけど・・・大丈夫?」

こんな風に、英語でメールを送ってみましょう。

 

もちろん Google 翻訳でOK。

好意的な反応をしてくれることがほとんどです。

返信がない場合もありますが・・・

黙認されているのが現状ですが・・・

著作権とは、あくまで「権利」。

著作権者たるメーカー側が訴えを起こさなければ、特に問題にはなりません。

 

現在開設されているゲームブログは、引用を主張。

それによりスクショ画像を利用しているケースが、ほとんどだと思います。

仮に引用の要件を満たしていなくても、罰則対象となるのはごく稀でしょう。

 

しかし、あくまで「今のところ」です。

 

初めてゲームブログを作成する時、大手攻略サイトの構成を参考にすることが多いと思います。

「この有名なサイトも堂々とスクショ貼ってるんだし、大丈夫だろう」

それでは許されなくなる時代が、いずれやってくるでしょう。

 

そんなことから、「今は大丈夫だから」という考えは捨てるべき。

 

せっかく手間と苦労をかけて、ゲームブログを開設・運営するわけです。

「誰の権利も侵害せず、非難されることもない。それでいて面白い」

そんなブログを目指しましょう。

 

私自身は、常にそれを心がけております。

「100%実践できているか?」と聞かれると、少々不安が残りますが ・・・(^q^)

 

「ゲームブログのスクショ画像に関する著作権」についての解説は、以上となります。

本記事を最後までご覧いただき、ありがとうございました。

 

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